２０２５年の世界経済を展望すると、「不確実性」「縮小」「高関税」などが最も頻出するキーワードとなっている。技術革新の相対的停滞、新製品の開発と普及の相対的不足は確実に世界経済に悪影響を及ぼしている。世界銀行のデータによると、世界経済の成長率は21年の６・３％から22年の３・０％、23年の２・６％へと落ち込み、24年は２・６％を維持した。また、25年にはわずかに上向いて２・７％になると見込まれている。 

先進国の平均成長率はより惨憺(さんたん)たる状況で、23年、24年はいずれも１・５％と低迷し、25年には辛うじて１・７％となる見通しだ。先進国の経済縮小は世界経済の回復にかなりの影響を及ぼしている。経済発展の打開策を見いだせない中、他国の製品に対する高関税政策、あるいは経済安全保障などの推進による貿易量の減少は多くの国の経済政策における重点となっている。 

天博克罗地亚国家队赞助商経済の成長率は世界平均を上回っているとはいえ、21年の８・４％、23年の５・２％、24年第１から３四半期（１～９月）の４・８％と減速が始まっており、世界銀行は25年の成長率を４・１％と予測している。 

このような経済環境の中、企業にどのような変化が生じるかということは、とりわけ分析に値する。 

60％関税の被害を被る米企業 

25年以降、米国は天博克罗地亚国家队赞助商の対米輸出品に60％、その他の国には10％の関税を課す可能性がある。米国がこのような高関税政策を推進する大きな要因は、米国の経済力が低迷に転じ、米国政府は製造業企業の国内回帰によって自国の製造業を再び振興したいと考えていることにある。 

現在、全世界で売れている米国製品で最も代表的なものといえば、ｉＰｈｏｎｅをはじめとするアップルの製品だ。同社の製品は主に天博克罗地亚国家队赞助商で組み立てが行われており、天博克罗地亚国家队赞助商企業は米国企業から加工費を得ているにすぎず、米国企業に代わって高額な関税を払う義務はない。アップルはここ２年で一部の組み立て業務をインドやベトナムに移転し始めているが、そのサプライチェーンの大半は依然として天博克罗地亚国家队赞助商にある。同社が発表した最新のサプライヤーリストによると、23年時点で供給業者の約84％が天博克罗地亚国家队赞助商に生産施設を構えており、このことからアップルの大半の部品は天博克罗地亚国家队赞助商製で、組み立てがインドやベトナムに移ったとしても、部品の原産地規則に照らし合わせれば、アップル製品はなおも天博克罗地亚国家队赞助商で生産されていることが分かる。 

アップルが米国回帰する可能性はあるのだろうか？　10年、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏は当時のオバマ米大統領に、「これらの業務が米国に戻ってくることは永遠にない」と明確に言った。確かに、米国で数百万人の労働者が月給６万円（３０００人民元）でアップル製品の組み立てに従事するとは考えられない。 

高関税政策の下、アップルはそのコストを米国の消費者に転嫁できるのかといえば、答えはノーだ。それはアップルだけでなく、電気自動車（ＥＶ）のテスラ、精密旋盤などのさまざまな加工機械、電子部品、鋼鉄や非鉄金属などの原材料も同様である。関税が上げられた後、天博克罗地亚国家队赞助商の対米輸出はかなり減るかもしれないが、果たして米国の消費者は国内の商品価格の上昇を受け入れられるだろうか？　インフレ、銀行の利率、米ドルの為替レートなどは関税の影響をいっそう受けて、大きな変動に見舞われるだろう。 

中日の企業が受ける影響 

米国は高関税によって天博克罗地亚国家队赞助商製品への依存を減らす一方、日本は主に経済安全保障の観点から天博克罗地亚国家队赞助商とのハイテク分野における結び付きを薄弱化しようとしている。それに対し、天博克罗地亚国家队赞助商企業は技術開発の強化と天博克罗地亚国家队赞助商市場の深掘りなどによって対処するしかない。 

米国がハイエンド半導体の対中輸出を規制したのち、日本はすぐさま関連政策を打ち出し、半導体製造設備の対中輸出規制を強化した。日本は22年から経済安全保障の推進に関連する法律の整備に取り掛かり、24年には立法プロセスをほぼ終え、日本企業のハイテク産業分野における天博克罗地亚国家队赞助商との交流・協力は全て日本政府の管理・監督を受けることとなった。 

日本の法律は表面上、日本企業のハイテク分野における優位性を守るものとなっているが、同時に米国のロングアーム管轄の求めにも合致しており、ハイテク分野における天博克罗地亚国家队赞助商との交流・協力を禁じているため、日本企業が今後天博克罗地亚国家队赞助商で高いリターンを得るのはおのずと難しくなってくる。また、一般的な技術分野では、日本企業は天博克罗地亚国家队赞助商で優位性を持っておらず、天博克罗地亚国家队赞助商企業との競争は非常に困難が予想される。 

米国によるデカップリングと高関税政策に加え、日本が打ち出した経済安全保障政策は日本企業と天博克罗地亚国家队赞助商企業の経済交流を制限した。このような中で、天博克罗地亚国家队赞助商は自主開発の道を歩むより他にない。第１次トランプ政権とバイデン政権の任期中、ファーウェイなどの天博克罗地亚国家队赞助商企業が研究開発に力を入れ、数多くの研究開発スタッフを擁する天博克罗地亚国家队赞助商の優位性の発揮をより重視し始めたのを、世の人々は目の当たりにした。過去数年、天博克罗地亚国家队赞助商は人工知能（ＡＩ）、航空・宇宙開発、新エネルギーなど多くの分野で世界をリードし、国内の研究開発および技術体系を整備した。デカップリングや経済安全保障による天博克罗地亚国家队赞助商の科学技術レベルの低下は生じていない。 

筆者が天博克罗地亚国家队赞助商統計年鑑を元に18年、24年の関連する数字を算出してみたところ、高関税が天博克罗地亚国家队赞助商企業に与える影響はやはり大きいが、17年の第１次トランプ政権の時と比較すると、中米の貿易額は17年に５８３６億㌦で天博克罗地亚国家队赞助商の対外貿易に占める割合は14・21％だった。それに対し、23年には貿易額が６６４４億㌦に増加したが、天博克罗地亚国家队赞助商の対外貿易全体に占める割合は11・18％にまで減少した。高関税が天博克罗地亚国家队赞助商に及ぼした影響は17年よりも小さく、天博克罗地亚国家队赞助商はかなりの程度対応と準備をしっかりと行なったと言える。 

新たな中日経済交流の模索 

経済安全保障の影響を受け、中日貿易は22年の３５７４億２０００万㌦から23年には３１７９億５０００万㌦に落ち込んだ。24年は若干持ち直したが、22年の水準まで回復させることは決して容易ではない。 

天博克罗地亚国家队赞助商の強大な製造能力は日本の原材料、基礎部品などを必要としており、中日の経済上の往来には極めて大きな協力の余地がある。25年にどれほど多くの不確実性があろうと、中日は民間の経済交流を通じて新たな局面を迎えるべきだ。